ブルベ準備の話

ブルベの話
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ロングライドに向けて、久しぶりに『Vision』ホイールのベアリング交換をしました。
折角なので次回に備え、作業の記録を残します。

「Vision」ホイールのベアリング交換

メンテするホイールは5年ほど使っている
『Vision Trimax30KB』

最近転がり具合が気になっていた事もあり、ベアリングを交換する事にしました。

前回も自分でやりましたが、道具が無かった事もあり結構時間が掛かりました。、今回は割とスムーズに出来ました。

メーカー指定品でなく、Amazonで以下のベアリングを注文しました。
前回も使いましたが特に問題はありませんでした。寿命は短いのかもしれません。

フロント用:6803 17x26x5
リア用:6903 17x30x7

スプロケット、フリーホイールリムーバー

リアホイール(分解)

スプロケットリムーバとフリーホイールリムーバを使って固定ナットを外します。

(締め付けトルク:30 – 50 N.m)

スプロケットを抜き取りました。

反対側のエンドキャップを外す為に、固定している小さなボルトを緩めます。

両側のシャフト穴にレンチを嵌めて回し、エンドキャップを外します。

エンドキャップをハブ軸から外しました。

反対側のフリーハブを引き抜くとベアリングとラチェットのギザギザが見えます。

ホイールから、フリーハブAssy、エンドキャップ、スプロケットがはずれました。

パイロットベアリングプーラー
本体、引っ掛けツメ、プッシュボルト

ベアリングプーラーを使ってベアリングを外して行きます。

ベアリング内径にツメ金具を引っ掛けて、本体ナットを回して引き抜くという道具です。

以前はコンコン叩いて抜いたのですが、やはり無理が有りました。 これを使ったらムダな事をやっていたと痛感しました。
頻繁に使う物ではないですが、思いきって買いましょう。

引っ掛けたツメと本体ボルトを繋げ、ナットを回してベアリングを引き抜きます。

プーラー本体が安定しないので適当な板を間に当てて作業しました。

引き抜いたベアリング

反対側も同じ要領でベアリングを引き抜きます。
その後パーツクリーナー等でハブ内部を綺麗にします。

フリーハブ(分解)

ハブスパナとレンチ
フリーハブ

フリーハブの分解には厚みが2mm位のハブスパナが必要です。

ハブ軸にレンチを嵌めてハブスパナでロックナットを回して外します。逆ネジなので反対に回します。(Visionのナットには回転方向が英語表記していますので確認を)

ロックナットを外してハブ軸を抜きます。

ベアリングを抜く時の写真を撮り忘れました。

赤茶色のゴムが円周上に付いたベアリングカバー?を取るとベアリング、カラー、Cリング、ベアリングの順に部品が組まれています。


ベアリングとの間にあるカラーを取ると、Cリングが見えます。

ここでスナップリングプライヤーを用意してCリングを外さないといけません。

Cリングの2つの穴にプライヤーの先を引っ掛けてCリングを小さく変形させて取り出します。
結構奥なので使うプライヤーによっては手こずる事もあるかもです。

このプライヤーも事前に用意が必要です。


写真右の工具が”ベアリングプーラー”と”スナップリングプライヤー”。Amazonなら2つ合わせて3千円台で用意出来ると思います。

スナップリングプライヤーは”広げるタイプ”と”すぼめるタイプ”が有りますので購入時は注意して下さい。

バラした部品は洗浄して綺麗にします。

フロントホイール(分解)

フロントホイールも交換します。

リヤと同じようにエンドキャップを外してハブ軸を抜きます。

ベアリングプーラーの本体2足をフランジに合わせて、両側のベアリングを抜きます。

分解したらハブ内径部と部品を綺麗にしましょう。

フリーハブ(圧入)

写真はベアリングを圧入するプレスセットです。

前回は叩いてベアリングを入れましたが、やはり仕上がりに不安があったので、こちらをAmazonで購入。

中国製で安いですが、問題なく使えました。

圧入するベアリングサイズに合わせたプレートを用意します。

ベアリングの型番が印刷されていて分かりやすいです。

作業に合わせて組み合わせを考えます。

本体内側とベアリングにグリスを塗って、奥のベアリングから圧入です。
(フリーハブ用:6803 17x26x5)x2個

最初のベアリングは手前の圧入部を通過してから奥の位置に圧入します。

組み合わせを決めて具合を確認
奥の圧入になるので軽の小さいプレートを重ねて使用
奥の位置に合わせるとこんな感じ

専用道具は素晴らしいですね。以前はあんなに苦労したのに難なく圧入完了です。

最初のベアリング圧入完了

次にCリングを嵌めます。
奥でよく見えずやり辛いですが、きちんと溝に合わせて嵌めましょう。

しぼめた時に外れないように
Cリングをきちんと溝に

Cリングをセットしたらカラーを入れます。
この状態だとガタガタなのでベアリング内径に合わせた位置をキープするつもりで。

このカラーが次のベアリングのストッパーとして機能しているようです。

2つ目のベアリングも同じ要領で圧入します。
カラーに軽く当たったら止めます。

2個目の圧入
2個とも無事に圧入

圧入が出来たらベアリング端面周りにグリスを塗りたぐります。

ハブ軸をベアリングに通してベアリングカバーをのせます。

雨を考えるとこの上にもグリスを塗るのが良い気がしますが、最初にバラしたとき、メーカーもそれほど塗って無かった気がしたのでこのカバーを信用する事にします。

固定ナットを取り付け。

ハブレンチと6角レンチで固定ナットを締め付けます。

逆ネジなので締め付け方向も逆になります。

リアホイール(圧入)

リアホイールにベアリングを圧入します。

圧入する反対側はフランジ端面にプレートを当て、ハンドルを回してベアリングを圧入します。
(リア用:6903 17x30x7)

フランジ圧入部とベアリング外周にグリスを軽く塗って位置を合わせます。

芯が合ったらハンドルを回してベアリングを圧入して行きます。斜めに押さないように注意しましょう。

最初だけ手応えがありますが、その後は軽く入っていき、カツンと止まりますのでそれ以上はあまり押さない方が良いみたいです。

無事に圧入出来ました。

反対も同じ要領で圧入します。

フリーハブ組み付け

リアホイールにフリーハブを差し込んで組み付けます。

フリーハブのラチェット部にグリースを充填してホイールのラチェット山に合わせてセットします。

ハブ軸の両側にレンチをさしてエンドキャップを固定します。

最後に小さいボルトを締める

スプロケットを溝に合わせてフリーハブにセットします。
裏表に注意しましょう。

固定ナットを取り付けて完了です。
(締め付けトルク:30 – 50 N.m)

フロントホイール(圧入)

続いてフロントホイールです。

リアと同じ要領で圧入して行きます。
(フロント用:6803 17x26x5)

フロントはベアリングが小さいせいか軽く簡単に入りますね。

綺麗に圧入出来ました。

両側を圧入したらベアリング端面にグリスを塗ってホコリや水の侵入を防ぎましょう。

ハブ軸を通してエンドキャップを取り付けます。

エンドキャップは手で最後まで締め付けたところから少し戻した位置(1/8回転)で、ボルトを締めて固定します。

あとがき

ベアリング交換後ですが、ラチェット音も静かになり、乗り心地は良好です。転がりが良くなって楽になった気がします。 ベアリングの定期的な交換はとても有効なメンテナンスですね。

今回、道具が揃って作業が随分楽になりました。でも、ネジなどは外した時の感覚で締め付けたので、今後はトルクレンチを用意して作業したいと思います。

雨で外に走りに行けない時は、こんなメンテナンスで時間を潰すのも良いかと思います。

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